November 10, 2005

胡蝶、その後

胡蝶、それは源氏物語第二十四帖ではなく、新有楽町ビル地下2階の空間に確かに存在していた日本文化が凝縮されていた懐石料理店でした。西の吉兆、東の胡蝶と言われるほどに愛されていた料亭。ビジネス街にあるビルの階段を下りるとその地下空間に広がる日本庭園。その風景をそれぞれの個室から愛でられる演出設計に、初めて席に着くかたは皆驚かれる。そして細やかに行き届いた日本風サービスと繊細なる料理の盛りつけと味。五感を喜ばせてくれるすべてが完璧な和風飲食空間でした。首相や大臣に外務省のお歴々もたまにお見かけもいたしました。

先代の女将はお客には実に細やかな気配りで驚かせてくれたり、従業員には的確なる指示をされる清々しいほどの気っぷの良い女性でした。そんな女将の体調不良もあったのか、また若女将ナオコさんの決断なのか、残念ながら昨年9月に閉店となりました。

あの胡蝶の味は何処へ...。
それは新宿御苑「懐石龍雲庵」、北鎌倉「茶寮円」、門前仲町「和菜毬乃」、南麻布「終夜灯あかり)」、そしてカナダ・トロント「Kaiseki Yu-Zen Hashimoto懐石遊膳橋本)」と、胡蝶の和食懐石料理文化の伝道師たる職人達はそれぞれの場所で活躍されていらっしゃいます。

そんな思い出話を、今夜は胡蝶元料理長で和菜毬乃御主人高橋氏と歓談することが出来ました。胡蝶の閉店は実に惜しいものです。



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この記事へのコメント

1. Posted by 橋本 正樹   June 24, 2007 10:05
5 弊店のお客様に先輩の店である龍雲庵をお教えしようと探索しておりましたらこのブログを見つけ飛び上がるほど驚きました。私はカナダトロントで胡蝶の味を忠実に守りながら「懐石遊膳橋本」を営んでおります橋本正樹でございます。3年の予定で来加したトロントも気がつけば24年が過ぎました。しかし、頑固に味を変えずに良かったとつくづく思いました。今後も頑張ります。
2. Posted by kazunori   July 22, 2007 06:19
橋本様

胡蝶を訪ねるたびに、日本の四季を五感で楽しませてくれる美味しさとお持てなしが待っていました。裏方と表方がきっちりと意思疎通が出来ていたからこそ、客は心ゆだねて和食空間を堪能出来ていたのでしょう。

一人のフアンとして、これからも変わらぬ胡蝶の味と心を大切にカナダでのご活躍をお祈りしております。

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